小さな儀式

冬の間ベットから出てこなかったグリ先生が、朝出勤の支度をする私を、テーブルの上でじーっと眺めるようになりました。それはやっと先生に春が来たしるし。そう、気づくのが遅いところは、間違いなく飼い主に似ています。

毎年4月は何かと忙しく、あっと言う間にゴールデンウィークに入り、慌ただしく過ぎていきます。そして出島がいつもの静けさを取り戻すこの頃、私からお店に何か新しいものをプレゼントすることにしています。

去年、5年間共に頑張ってくれたご褒美に、友人のデザイナーに作ってもらったショップカード。この1年「このカード素敵ですね」と、たくさんの方が持って帰ってくれました。私もお気に入りのそのカードの絵を、今年は念願のシールにすることにしました。

店という生き物の寿命を考えると、1年という単位は長いのか短いのかは分かりません。でも、春夏秋冬と、また共にひとまわりしてきた同志であるList:という存在に、何かお礼をしたい。それは私にとって小さな儀式のようなもの。出来上がるまでの時間も心地よいものです。

one day at List: / 2012.05.12 Saturday
生きている器

連休の中日で出島は静かな1日でした。伊藤さんの個展は今日で折り返しです。

環さんの器は、一見普段使いには難しそうに感じますが、使い込んでいくことで、変化も楽しむことができる器です。店頭で展示している環さんが使い込んだ白泥のマグカップも、中だけでなく、表面も下からじんわりとグレイがかってきていて、私のマグカップもどんな風に変化していくのか楽しみです。

銀彩の器を使い込んでいく感じが分かればと、私も自宅から銀彩のリム鉢持ってきました。でも実は、金継ぎしようとパテで欠けた部分を埋めたままで、ちょっと痛々しい顔をしていました。「金継ぎの途中なんです・・」と言い訳しながら私がお客様に見せていると「いい感じになってますねー。ここに金がのるときれいですよー。」と、環さんが笑顔でフォローしてくれました。金がのったらどうなるんだろう?思い立って午後、金継ぎの道具の入った箱を取り出しました。

パテをサンドペーパーで削るところからスタート。そして金をのせると、燻し銀のようにしっとりと落ち着いた表情をしていた私のリム鉢が、紅をさしたようにぱっと華やかになりました。パテのまわりまで削ってしまい、金のまわりに下地の銀がでてきているのはご愛嬌。大雑把な私らしいでき上がりです。

作った人からつかう人へと渡った器が、まるで生きているかのように、その人なりの表情を見せてくれます。豊かに変わる器たちをぜひ手に取ってごらんください。

伊藤環 作陶展 
2012.04.27fri.~05.07mon
在店日04.27
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one day at List: / 2012.05.02 Wednesday
新しい暮らし

いよいよ、今週の金曜日から伊藤環さんの作陶展がはじまります。

写真は前回と同じ4年前に環さんの工房を訪ねた時のもの。手回しのミルで豆をひいて、美味しい珈琲を入れてくれました。環さんが家族と住まいを移した岡山の暮らしはまだ始まったばかり。きっと、環さんの事だから、こだわりながら少しずつ自分の暮らしを整えていくんだろうなと思います。

岡山には会社員時代に、1年ぐらい毎月仕事で行っていた時期がありました。岡山からJRで瀬戸大橋を渡って高松に入る事が多く、ガタンガタンと列車に揺られながら、鉄橋の間から見える海と小さな島がポツポツとある風景が目に浮かびます。その岡山に、つくり手のひとたちが少しずつ移り住んでいると環さんが教えてくれました。

家や工房を見つけてくれたり、材料や機材の職人さんを紹介してくれたり、工房や道具を貸してくれたり・・岡山の職人さんたちの色んなサポートが本当に助かっていて、そのつながりも岡山への移住の理由の1つだそう。同世代の陶芸家や金工作家なども、関東から越してきているそうです。

27日(金)に環さんが来られるので、岡山での暮らしのお話を色々聞いてみたいと思っています。1日だけですが、環さんと直接会ってお話ができますので、ぜひ初日にお越しください。

伊藤環 作陶展 
2012.04.27fri.~05.07mon
在店日04.27
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one day at List: / 2012.04.22 Sunday