
手紡ぎ車を借りて約ひと月の間、時々自宅でコトコト糸を紡いでいました。
と言っても、糸を紡ぐのは最終工程。それまでに羊毛の塊を手でほぐし、ブラシのような道具で2色の毛をブレンドしながら方向を揃える作業の方が何倍も長い時間が掛かります。夜になると目が冴えるグリ先生の「遊べー!!」の突進攻撃を交わしながら、時間がある時に少しずつ少しずつ、ゴワゴワした羊毛の塊から毛糸にしていきました。
前回先生にお願いした「撚り戻し」という作業も、今回は自分でやってみました。紡ぐ時に撚りが掛かりすぎた毛糸を、蒸し器で10分優しく蒸気を当てると、撚りすぎていた糸が戻って少し柔らかくなり、機(はた)にかけ易くなります。
そうやって手をかけつくりあげていく工程を1つ1つ知っていくほど、ずっとこれまで受け継がれてきた「手仕事」の大変さと、そして楽しさを体と頭で感じるのです。そして、どの工程も先を急ぐことなく、きちんとやることが、最終的に早くきれいなものをつくるのだと教えてくれます。
慌ただしく過ごす毎日ですが、いつも同じリズムで何かをする事で、心が整っていきます。紡ぎ車のある暮らしはそんなことを教えてくれました。出来上がった毛糸は、またもや「グリ色」。ダークブラウンとグレイ、白のマフラーが出来上がるのは、きっと春が始まる頃です。



