家しごと

手紡ぎ車を借りて約ひと月の間、時々自宅でコトコト糸を紡いでいました。

と言っても、糸を紡ぐのは最終工程。それまでに羊毛の塊を手でほぐし、ブラシのような道具で2色の毛をブレンドしながら方向を揃える作業の方が何倍も長い時間が掛かります。夜になると目が冴えるグリ先生の「遊べー!!」の突進攻撃を交わしながら、時間がある時に少しずつ少しずつ、ゴワゴワした羊毛の塊から毛糸にしていきました。

前回先生にお願いした「撚り戻し」という作業も、今回は自分でやってみました。紡ぐ時に撚りが掛かりすぎた毛糸を、蒸し器で10分優しく蒸気を当てると、撚りすぎていた糸が戻って少し柔らかくなり、機(はた)にかけ易くなります。

そうやって手をかけつくりあげていく工程を1つ1つ知っていくほど、ずっとこれまで受け継がれてきた「手仕事」の大変さと、そして楽しさを体と頭で感じるのです。そして、どの工程も先を急ぐことなく、きちんとやることが、最終的に早くきれいなものをつくるのだと教えてくれます。

慌ただしく過ごす毎日ですが、いつも同じリズムで何かをする事で、心が整っていきます。紡ぎ車のある暮らしはそんなことを教えてくれました。出来上がった毛糸は、またもや「グリ色」。ダークブラウンとグレイ、白のマフラーが出来上がるのは、きっと春が始まる頃です。

one day at List: / 2012.01.27 Friday
道案内

ぼんやりしながら歩いているからか、私は修学旅行生に道を聞かれることがとても多いです。

昨日も眼鏡橋を眺めながら歩いていると、石垣島から来た女子中学生たちから「中華街はどこですか?」とまた聞かれました。「歩いていくの?」と聞ききながら、私は「あっ!」と、とても簡単な案内方法を閃きました。

「そうだ!提灯を目印に歩いて行くと、中華街に着くよ。」と、我ながらいいアイデアだったなーと思いながら言ったのに、女の子たちはあんまり信用していない顔つきです。「だって、中華街のお祭りのランタンフェスティバルのメイン会場からこの提灯は続いてるから」とちょっとムキになって言ったのに、やっぱり反応が鈍いまま「はい、ありがとうございまーす。」と低い返事。

分かりやすい説明だったのになー。と、教えた私が納得しないまま、彼女たちの制服の後ろ姿を見送って、私も川沿いの提灯に沿って出島に向かいました。

いよいよ月曜日から、長崎ランタンフェスティバルが始まります。でも私は、始まる前の電気が点いていない提灯が並ぶ姿の方が、どちらかと言うと好きです。

ながさきの暮らし / 2012.01.21 Saturday
赤鬼さん

「ランプシェードを見に来た男の人いませんでしたか?」

そうお店に掛かってきた電話は、遠距恋愛中の恋人の誕生日に彼が欲しいと言っていた、List:のシェードをこっそりとプレゼントしたいという女性からのお願いでした。
サプライズは無事成功し、そのシェードは「今は彼の家で優しく灯っています」とお礼のお手紙を頂きました。

彼女の彼を思う気持ちと、びっくりした後に嬉しそうに笑った彼の間に、こっそり居させてもらった私ですが、なんだかとても暖かい気持ちが私の中からふわーっと溢れてきて、幸せな気持ちになった出来事でした。

お手紙と一緒に届いたのが「吉兆節分豆」。今日の長崎は、久しぶりにシトシトとずっと雨が降っています。いつもの窓からみえるのは、冷たい雨の降る冬らしい景色。でも日一日と春に近づいているんだと、豆を撒かれて逃げている赤鬼が教えてくれました。

今年の冬には、手紙をくれた彼女が長崎に暮らす彼の元に越してくると、最後に書いてありました。「List:さんが、長崎のお気に入りのお店第一号です。」ここの所何かと忙しく、カサカサしていた心をこの言葉が救ってくれました。

one day at List: / 2012.01.19 Thursday